「好き」の偉大さ

 

こんにちは。個別指導員の立田です。

まだまだ暑いですが、梨の直売や稲刈りの風景などが見られ、

少しずつ秋のきざしも感じられるようになってきました。

 

 

 

突然ですが、皆さんは勉強が好きですか?

 

私は嫌いです。でも、学ぶことは大好きです。

「勉強」の「強」の字、「強いる」というのが苦手なのです。

嫌々やることは本当に身につかないです。

 

反対に「好き」「楽しい」ことはどんどん身に付けられる、

能力が最大限発揮出来るものだと思います。

そのことを再確認できることがありました。

 

プラスで一緒に国語の学習をしている中学生の男の子がいます。

沢山お話をしてくれる気持ちの優しい彼ですが、

プラスに来て最初の頃は、音読をしましょう、読んで問題に答えましょう、

と学習を進めると「僕そういうの苦手なんです。」と、

とても表情を硬くしていました。

確かに、音読はたどたどしく、テキストはなかなか進みませんでした。

 

しかし、彼は別のところですごい能力を発揮していたのです!
大好きなプロ野球の、ほとんどの選手の細かいデータを覚えているのです。

選手達の名前は皆、漢字で読んだり書いたり出来るのです。

私は何度教えてもらっても、覚えられないのですが…

 

そのことを知ってから、彼との学習はなるべく、

好きな野球と関連付けるような話をしたりしながら進めるようにしました。

すると「ああ!」と腑に落ちることが多いようです。

授業を重ねるごとに、彼の表情はどんどん変わっていきました。

「え~。」と嫌な顔をすることが無くなり、

「あ、それこの間やった気がする!」と、

自らテキストを振り返ってみるなど積極的な姿勢が増えていきました。

 

そしてこの間、「国語のテストで良い点が取れた。」との報告がありました。彼の誇らしげな顔が見られて、嬉しかったです。

毎回、授業では苦手な音読を入れました。

宿題も、漢字のプリントを2枚以上出しました。

それをコツコツと彼がこなしたことは大きいと思います。素晴らしいですね。

 

どのお子さんにも、好きなことに関連させるだけでなく、

出来るだけ心に響くような伝え方をしたいと思っています。

「母」という字が、子どもを育むお母さんのおっぱいを表すように、

漢字の成り立ちには、意味があること。楽しい詩。繊細で、美しい日本語。割り切れない数の存在。生命の神秘。長い歴史。

いくらでも、関連付けられることはあります。

 

本来「学ぶこと」は、知らなかったことが分かり、

世界が豊かに広がり、とても楽しいことです。

その、「学びの楽しさ」をどう伝えるか。

授業をする時に、心掛けていることの一つです。

 

▲毎回音読する詩のプリント。読みやすいよう、文節で区切る線をいれたり、間をあけたりしています。
▲毎回音読する詩のプリント。読みやすいよう、文節で区切る線をいれたり、間をあけたりしています。