スモールステップ(分配法則の場合)

こんにちは、スタジオplus+個別指導員の土屋です。

暑い日が続きますね。

私は寒いのが苦手なので、冬より夏のほうが好きなのですが、

夏にも大敵がいます。

それは電車(特に地下鉄)の過剰なクーラーです。

よく利用する電車の弱冷車の位置は、

しっかりと把握しています。

さて今回、私からは授業で使用した教材の紹介を通して

スモールステップについてお伝えしたいと思います。

紹介するのは、中学生の生徒さんと取り組んだ数学の分配法則のプリントです。 ちなみに分配法則とは、

6×( a-8) = 6×a + 6×(-8) = 6a+(-48) = 6a-48

というように( )の前の数を( )の中の数に分配するようなイメージの

計算方法です。

その生徒さんが、文字式の分配法則でつまずいていたので、

スモールステップで理解できるように、

以下のような内容のプリントを作成しました。

①~③の各問題と同様の形式の問題を

それぞれ2~3題ずつ解いてもらってから、

④のようなヒントのない問題を解いてもらいました。

①~③の穴埋めの段階ではスラスラと解いていたのですが、

ヒントがなくなると途端に手の動きがゆっくりとなり、

なかなか正解までたどり着けなくなりました。

生徒さんの手の動きをみると、様々な情報処理に苦戦している様子が

伝わってきました。

一見、単純な計算に思える分配法則の計算ですが、

マイナス×プラスはマイナス

文字の付く項と数字の項どうしは足したり引いたりできない

かっこの前には×が省略されている

など、実は様々な条件や情報を意識しなければならないのです。

結果として、このプリントの内容はこの生徒さんにとっては、

スモールステップではなかったのです。

次の授業では、ヒントを減らしていく過程を細分化し、

各段階の問題数を増やした以下のような内容のプリントを作成しました。

スモールステップのさらなる細分化です。

このプリントに取り組んだ結果、

この生徒さんは分配法則を ヒントなしで計算できるようになりました。

実際のプリントはもう少し、ステップが細分化されており、

さらに一度消えたヒントがまた復活する「三歩進んで、二歩下がる」

ような問題構成にしました。

その量、ページ数にして13ページ、問題数にして約40問

生徒さんは、よく頑張ってくれました。

ひとつひとつの情報処理の手順を、適切な問題数をこなすことで、

頭の中で整理することができ、

最後には、ヒントのない状態で計算できるようになったのだと思います。

 

スモールステップと一口に言っても、

生徒さんそれぞれによって「登りやすい階段の高さ」も違えば、

階段を登る速さ」も違うことを実感し、再確認した授業でした。